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2009年6月30日 (火)

番組ディレクターより今週の一言

 早いもので今年も半分が過ぎてしまいました。未曾有の経済危機と言われている今年ですが、そんな不安を吹き飛ばすかのような熱気に包まれた映画を見てきました。今週末、大ヒット中の『ROOKIES -卒業-』を押さえて1位に躍り出た『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』。あまりの過熱ぶりが怖くて、土日は劇場に行くのをついためらってしまいましたが、1週間待つことができず、月曜に学校から帰ったばかりの子供を連れて、一番キャパの大きい新宿ミラノ1に行ってきました。特にプレミアなどでなくこの大劇場がこれほど多くの観客に埋め尽くされているのは平日であることを考慮すれば、異常とも思えるほどです。客層は間違いなく昔からエヴァを支えてきたと思われる熱狂的なエヴァファンと思しき方々がほとんど。いや全部かもという勢いです。

肝心の作品ですが、オリジナルを短縮した印象の前作と打って変わり、もうほとんど新たな展開になっていて、オリジナルファンも、新たな世代のファンも共に同様の感覚で楽しめる大傑作に仕上がっていました。詳しく書くとこれから見る人の興味をそいでしまうので、中身に関しては触れることはしませんが、これぞ間違いなく世界に誇れる日本の文化と断言できます。それぞれに事情を背負った少年少女たちのドラマ、巨大ロボット(というのは若干、抵抗を感じますが)の激しい対決、新キャラ・マリの強烈な存在感、そして本番組のファンであれば見逃せない山寺さんが声を担当する加持リョウジのシーンなどなど。どのシーンも強い印象を残しつつ、あっという間に時間が経過していくことに驚きを禁じ得ません。

奇しくも日本では同時期公開となっている『トランスフォーマー/リベンジ』ですが、ここでロボット同士の殺し合いを存分に描いたマイケル・ベイでさえも、このエヴァの書くシーンを見たら、強い嫉妬心を抱くはずです。ナイフで突き刺したり、首をもぎ取ったり、人間がやればとても正視できないトランスフォーマーのロボット対決ですが、さすがにエヴァのような流血シーンや、例の“あの残虐シーン”は製作のスピルバーグでさえも許可しないはずです。

そんな禁じ手だらけのエヴァですが、クライマックスでは「ええええ!」と言いたくなるような曲が流れて、日本人だけが分かる郷愁感を煽り過ぎるくらい煽ってくれ、不覚にも自分は涙してしまいました。きっと主人公である碇シンジや綾波レイと同世代の観客にはもっと強い衝撃を与えてしまっているかもしれません。

全四部作であるこの『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズですが、このペースを保つとすれば次回作は2年後、最終作は4年後という計算になります。でもこれだけの出来になるなら、待つ価値は十分にあるでしょう。ウチの娘は現在小6なので、順当にいけば中2、高1とエヴァの主人公たちと同世代になったところで、最終章を見ることになる訳で、そんなこともうらやましくてたまりません。

興味のない人からはこのエヴァフィーバーはアニメおたくのお祭り程度にしか見えないかもしれませんが、「この10年、エヴァンゲリオンを超えるアニメはなかった」(前作のパンフより)と庵野監督が豪語するだけのことはあると思います。事実、自分もオリジナルの劇場版である『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』を見るまではピンと来ていなかったのですが、今では次が楽しみでなりません。これから劇場に行かれる方は、一応、前作である『序』は見てから足をお運びください。恐らく後悔することはないと思います。(飯塚克味)

10:24 午後 番組ディレクターより今週の一言 |