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2008年11月20日 (木)

番組ディレクターより今週の一言

 寒くなってくると、どうにも出不精になってしまい、新作の試写にも自分に口実を作ってさぼってばかりいるのですが、DVDで見たいものはちゃんとチェックしています。今回はそんな中から2作品をご紹介しましょう。

 まずは韓国映画『Beautiful』。韓国映画界が世界に誇るキム・ギドクが製作とストーリーを担当した衝撃作です。監督は今回初監督のチョン・ジェホンが務めたため、ギドク監督作より普通の人にも見やすいものになっています。お話はこんな感じです。主人公ウニョンは誰もがうらやむ美貌の持ち主。道を歩けば男は振り返るし、美容院やレストランでは女優に間違えられてしまう。でもそんな美しさのため、10年来の女友達のボーイフレンドからは裏で言い寄られたり、知らない人からのプレゼント攻勢に悩まされていた。ある日、彼女を不幸が連続して襲う。女友達からは男を寝取ったと責められた挙句、絶縁され、その後、面識のない男に自宅で強姦されてしまう。強姦魔は警察に自首し、懲役刑を言い渡されるが、ウニョンはそれ以来、自分に近寄ってくる男たちに恐怖心を感じ、姿を変えるため、拒食症、過食症に陥っていく…とまあこんな感じなのですが、とにかく情け容赦ない展開に見ている側もどんどん追い詰められていき、息も詰まるような90分でした。ウニョンを演じたチャ・スヨンの鬼気迫る演技も圧巻!救いを求めつつ、近寄ってくる異性に恐怖しか感じられなくなっていき、自滅していく姿には、思わず手を差し伸べたくなってしまいます。まだ日本公開は決まっていないようですが、女性たちがこの作品をどう思うのか、是非聞いてみたいものです。そういえば中学時代の担任(男)が「今の君たちは生まれるなら美男美女がいいと思っているかもしれないが、長い人生を送っているうちに、それが全てでないことに気づくはずだ。逆に美男美女の人は、そのことで悩むこともあると思いますよ」と何気に語っていたことを思い出しました。当時は「そんなことある訳ないじゃん」程度に思っていましたが、この映画を見て、その意味がよーく、伝わってきました。

 もう1本は、番組でも以前紹介した『THE STRANGERS』というホラー作品です。リヴ・タイラーが主演していたことが功を奏したのか、相当な低予算映画ながら、かなりのスマッシュヒットとなっていたので、覚えている方もいらっしゃるかもしれません。別荘にやってきた若い夫婦が、ボロ頭巾をかぶった3人組にいわれのない襲撃を受けるというものです。こちらも上映時間は約90分。北米版のブルーレイでの視聴です。ストーリーは、本当に今書いただけの内容なんですが、どうにも救いがなく、これを見るとアメリカには絶対に行きたくなくなってしまいます。実は最近、ウチの真下の中国人夫婦のケンカがすごく、「殺してやるー」(in chinese)的な怒声が深夜3時くらいに響きまくって困っているのですが、この映画ではいくら泣こうが叫ぼうが、一切誰にも届かない。日本でも地方によっては、そんなところも多いですが、一晩中暴行を受けても誰も気づかないなんて!と主人公たちの境遇にゾッとせざるを得ません。同様のテーマを扱った作品に、『ファニーゲームUS』というナオミ・ワッツ主演の作品がありますが、こちらもとても正月映画に似つかわしくない不条理な暴行が描かれ、寒気を覚えずにいられません。この2本に比べれば、まだ『悪魔のいけにえ』の方が、マシだったと言えなくもないはず。日本も最近は安心して夜道を歩けなくなってきていますが、リアルな恐怖を体験したい人はどうぞ勇気を持って見てください。(飯塚克味)

02:17 午前 番組ディレクターより今週の一言 |

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